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資産運用のポイント3つ

はじめに

投資はリスク(値動き)を受け入れることでリターンを求める行為です。ついついリターンを大きくすることに目が行きがちですが、将来の資産形成を目的とする投資において、まず意識するべきことは大きな損失を回避することです。その上で、中長期にわたって平均的なリターンを狙うことです。短期間で大儲けしたいとお考えの方には期待外れかも知れませんが、これが投資の基本だと考えます。

この記事では、初心者の方向けに、資産運用の3つのポイント『分散』、『長期・複利』、『低コスト』について解説します。それぞれ詳細に書くと記事が長くなり過ぎるため、ここではポイントのみ簡単に説明することを心掛けました。詳細については今後、別記事で取り上げる予定です。

分散

 資産運用のポイント1つ目は『分散』です。投資する対象(国・地域、資産クラス(株、不動産、債券など)、業種・銘柄)と時間(タイミング)を分散することで、リスクを低減する効果があります。

1銘柄に集中投資した場合、その銘柄が上場廃止になれば資産はゼロになります。一方、投資先を10銘柄に均等分散(各10%ずつ)した場合、そのうちの1銘柄が上場廃止になっても損失は全資産の10%で済み、資産の90%を守ることができます。100銘柄に均等分散した場合、1銘柄への依存度は1%にまで下がります。

また、投資する時間の分散も重要です。底値で買って高値で売ることができれば良いのですが、株価の予測は難しく、いつでも上手くいくとは限りません。果たして1年前にコロナウイルスの株式市場への影響を予測できた人はどれぐらい居たでしょうか?時間を分散して徐々に資金を投入することで、高値掴みのリスクを低減することができます。

投資の世界で勝ち続けるのは難しいです。まずは特定の銘柄への依存度を下げ、高値掴みのリスクを回避して大きな損失を出さないことです。

長期・複利

資産運用のポイント2つ目は『長期・複利』です。長期で複利運用することで資産形成を加速させる効果があります。冒頭で「リスクを回避しつつ平均的なリターンを狙う」と書きました。では、平均的なリターンとは、どれぐらいでしょうか?

投資対象によって異なりますが、アメリカの代表的な株価指数(S&P50)のリターンは、平均で年率5~7%と言われます。その程度かと思う方もおられるかも知れませんが、長期で複利運用することで、少し様子が変わってきます。

複利とは、利子(配当)に利子がつくことです。元本に対して生じた利子を翌年の元本に組み入れる(再投資する)ことにより、翌年は元本だけでなく利子にも利子がつくようになります。これを毎年繰り返すことで、利子が次第に増加し、資産額の増加が加速していきます。これが複利の威力です。

この記事で具体的なシュミレーションは省略しますが、「72の法則」を紹介しておきます。複利で運用した時の資産が2倍になるまでの期間、利回りが感覚的に掴み易いので便利です。

  1. 利回り(%) = 72 ÷ 資産が2倍になる期間(年)
  2. 資産が2倍になる期間(年) = 72 ÷ 利回り(%)

例えば、10年間で資産を2倍にしたければ7.2%の利回りが必要になります(式1)。前述のS&P500の年率リターンより少し高い利回りが必要になりますね。少し高めにリスクを取る感じでしょうか。利回り4%で運用して資産を2倍にするには14.4年掛かります(式2)。このぐらいであれば、十分に妥当なラインかと思います。

低コスト

 

 資産運用のポイント3つ目は『低コスト』です。運用コストを低く抑えることで結果的にリターンを向上させる効果があります。高リターンを出し続けるのは難しく、また相応のリスクを負っているという認識も持つべきですが、運用コストの低減は簡単・確実で効果が持続します。やれば誰でもできますし、リスクもありません。

具体的な運用コストは、証券会社等に支払う手数料、および運用益(売買で得た譲渡益および配当金)に対して掛かる税金になります。これらを抑えるために、以下の方法が有効です。

  1. 手数料の安いネット証券を利用する
  2. 運用コストの安いインデックスファンドに投資する(投資信託を利用する場合)
  3. 頻繁な売買を避ける
  4. 運用益が非課税になる制度(NISA、つみたてNISA、iDeCo)を利用する
  5. 配当再投資型(分配金を出さない)の商品を選ぶ(投資信託の場合)

詳細を解説し始めると長くなるので、それぞれ詳細は折に触れて記事にしますが、ここでは投資信託の運用コストにだけ触れておきます。日本で販売されている株式投資信託は実に5400本あり(金融庁資料より)玉石混交ですが、証券会社のランキング上位や窓口販売で提案される商品は必要以上に運用コストが高いものが多く、初心者の方が不用意に投資してしまいがちだからです。

まず、投資信託はプロに運用をお任せする金融商品なので、その分のコストが上乗せされます。即ち、売買手数料に加えて信託報酬(運用管理手数料)が掛かります。最近は低コストで優良な商品(インデックスファンド)が増えてきており、買付手数料が無料(ノーロード)、信託報酬が安い、売却手数料も無料、こう言う商品が普通に買えますので、銘柄選びの際に是非チェックしてみて下さい。以下に業界で最安水準と言われる代表的なインデックスファンドの信託報酬(税込)を示します。もちろん、いずれも売買手数料は無料です。運用額1000万円で年間1〜2万円程度の運用コストになります。f:id:loveyuyu:20200923224512p:plain

おわりに

いかがでしたでしょうか。資産運用のポイント『分散』、『長期・複利』、『低コスト』について見てきました。派手さは無いですが、堅実かつ誰もが取り組み易いものだと感じて頂けたのでは無いかと思います。もちろん、これらをベースに更なるリターンを求めることを否定するつもりは毛頭ありませんので、あくまでも基本的な考え方と言うことでご理解頂ければと思います。以下まとめです。

まとめ

 ・資産運用の基本は『分散』、『長期・複利』、『低コスト』

・投資対象と時間(タイミング)を分散することで、リスクを低減する

・長期で複利運用することで資産形成を加速させる

・運用コスト(手数料、税金)を低く抑えることで全体リターンを向上させる

 

最後までご覧頂き有難うございました。