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投資信託とは

はじめに

この記事では、投資信託について解説しています。始めに概要を説明した後、関連用語や「投資信託ってどうなん?」っていうことに対する考え方についても書いています。これから投資を始めたい方、投資信託で失敗したという方(管理人の周りにも結構居てます)のご参考になれば幸いです。

投資信託とは

投資信託(=ファンド)とは、様々な投資対象を集めたパッケージ商品で、投資家が拠出した資金をまとめ、プロが運用する仕組みになっています。最大のメリットは少額から広く分散投資が可能になる点で、初心者でも取り組みやすい商品設計になっています。

個人投資家トヨタ自動車ソニー任天堂などの個別株式に広く分散投資をしようとすると莫大な資金と運用(銘柄の組み替えや配当金の再投資など)の労力が掛かります。トヨタ自動車の株式を1単元買うのに約70万円、ソニーは75~80万円、任天堂に至っては500万円以上掛かります。これらはTOPIX東証株価指数)に採用されている大型株ですが、TOPIX構成銘柄だけで約2000あります。余程の金持ちで無い限り、TOPIX構成銘柄に個別株を通して広く分散投資するのは現実的ではありません。また、個別銘柄の業績を見て機動的に銘柄入替(運用)するなどということは、時間的、スケール的な観点から管理人の様な普通の会社員には到底できません。

しかし、TOPIXに連動する投資信託を1本購入することで、1,000円以下の少額からこれら銘柄への分散投資、運用が可能になります。大勢の投資家から資金を集めて運用するという仕組みがこれを可能にしてます。もちろん、商品を選べば国内株式だけでなく世界中の株式や債券、REIT不動産投資信託)に日本円で投資することもできます。この様に、少額で広く分散投資が可能な点、ほったらかしで運用可能な点で、投資信託はメリットのある商品と言えます。

基準価額

投資信託の価格(1口または1万口当たり)です。純資産総額(組入銘柄の時価評価+配当金・利息-運用コスト)を口数で割って出すことができます。その投資信託を購入・売却する時は基準価額で取引します。

なお、投資信託の設定時の基準価額は1万円です。即ち、基準価額が1万円を割っている商品は、設定時より売却価格が下がっていることになります。分配金を出す商品にその傾向が強いですが、長期での資産形成を目的として投資信託を購入する場合、この基準価額の上昇を狙う(分配金ではなく)のが効率的です。

運用コスト

投資信託はプロに運用をお任せする商品なので、その分コストが掛かります。主なものに売買手数料、信託報酬、信託財産留保額があります。

売買手数料は説明不要かと思います。信託財産留保額は解約(売却)時に負担するコストで、基準価額の〇%と言った形で差し引かれますので、売却時の費用と言って良いでしょう。なお、売買手数料および信託財産留保額については、すべて無料の商品が普通に買えます。

信託報酬は運用コストです。運用額に対して年〇%と言った形で差し引かれます。運用形態、要するに運用の手間が掛かっているかどうかにもよりますが、最安で0.2%以下の水準で提供されている商品もあります。100万円運用して年間2000円ですね。 

リターン

商品によってそれぞれです。

低コストで指数に連動する運用成績を目指すインデックスファンドの中で、過去リターンが最も高いとされるS&P500に投資する商品の場合、過去リターンは5~7%(年率)とされます。市場平均はそんなもんと言うことですね。それを上回る運用成績を目指すのがアクティブファンドですが、リターンの振れ幅は大きいです。良いもので10~20%(年率)ですが、今後もそのリターンが続くとは限りませんし、運用コスト含めてどちらが良いかですね。

投資信託ってどうなん?

少額から分散投資が可能でプロに運用をお任せできると言うメリットにもかかわらず、国内で販売されている投資信託は実に5000本あり、その中には長期の資産形成には適さない商品も含まれていて玉石混交と言えます。投資家が善し悪しを見極める必要がありますが、窓口販売で勧められる様な商品は投資家の利益よりも販売会社の利益が大きいものが多かったりするので、何の知識も無い初心者が正しい判断をするのは難しいかと思います。管理人の周りにも、窓口販売で投資信託を買って失敗した(損した)と言う人は割と居てますね。それなりの資産をお持ちで高齢の方が多い様に思いますが、人任せにせず自分で判断して行動すると言うマインドセットが必要だと思います。

でも、投資信託は怖いと思われた初心者の方にも希望はあります。

それは、つみたてNISAの対象商品を参考にすることです。

つみたてNISAでは、金融庁が指定した、長期での資産形成に適した投資信託を積立て購入することになります。指定された商品以外は買えません。即ち、つみたてNISA対象商品は国のお墨付き商品と言っていいかと思います。つみたてNISA対象商品(投資信託)は、たったの176本です。玉石混交の5000本からぐっと減りましたね。商品一覧は金融庁HPから見ることができます。つみたてNISA口座以外でも買える商品もありますので、つみたてNISAを利用しない人にも参考になるかと思います。

まとめ

 

投資信託は初心者の方や資産運用に割く時間が無い方にとっては有用なツールになると思う反面、粗悪な商品が売られていたりするので注意が必要です。以下まとめです。

投資信託のメリットは、少額から分散投資でき、運用をプロに任せられる点

投資信託の基準価額は1万円からスタート

・国内で販売されている投資信託は5000本と玉石混交

・つみみたてNISA対象商品(国が選んだ投資信託)は176本、これを参考に

 

以上、最後までご覧頂き有難うございました。

株式投資の始め方

はじめに

この記事では、初心者の方向けに株式投資の始め方について書いています。「これから資産運用に取り組もう。でも、どうやって始めたらいいの?」と言う方のご参考になれば幸いです。

株式投資の始め方は主に以下の4ステップです。以下にそれぞれ説明してきます。

・種銭を貯める
・証券口座を開設する

・証券口座に入金する
・少額で投資してみる(株や投資信託を買い付ける)

種銭を貯める

いきなりハードルが高いと思われるかも知れませんが、投資を始めるには生活資金(生活費+何かあった時の生活防衛資金)とは別に種銭(投資に回せるお金)が必要です。なぜなら、生活資金を投資に使ってしまうと、ちょっとした値動きでも精神的に耐えられず、不本意な行動を取ってしまう可能性が高くなるからです。投資はリスクを伴うものですが、これはリスクを取り過ぎている状態と言えます。

リスクの取り方は人それぞれですが、月例賃金の範囲内で月々の生活費が賄えているのであれば、6カ月~1年分を生活防衛資金として現金で置いておき、それ以外の資金で投資に回すのが一般的な目安とされます。ただし、これは家族構成などによって変わります。例えば、独身であれば生活防衛資金は6カ月も要らないかも知れませんし、1年後に子どもが大学進学を控えているご家庭であれば入学金・学費(場合によっては下宿費用)などは現金で置いておいた方が無難です。近い将来、確実に必要なお金をリスク運用に回すと、現金化する時に値下がりしている可能性があるためです。リーマンショックやコロナショックを見て分かる通り、株式投資は短期では値動きが大きいからです。ご自身の資金計画と相談の上でご判断頂ければと思います。

なお、投資を始めるに当たって最初から何十万円、何百万円もの種銭が必要な訳ではありません。少額から投資できる商品(投資信託)もあるので、始めるまでのハードルは思っているほど高くないです。もちろん投資に回せる資金が多いほど資産形成のスピードは早くなりますので、種銭が多いことに越したことはありませんが、額の大小よりもまずは「第一歩を踏み出す」ことが肝要かと思います。

証券口座を開設する

まずはネット証券に口座を開設しましょう。最初は不安なので窓口の方が手取り足取り教えてくれて良いと思うかも知れませんが、断然おすすめは手数料の安いネット証券です。今は窓口に行かなくてもネットで有益な情報を得ることができます。ネットで情報検索ができる方であれば、ネット証券で口座開設から取引するまで問題無くたどり着けると思います。

デイトレードや海外のマニアックな株を取引したいと言う方以外であれば、どこのネット証券を選んでも大差ありませんが、どこにするかお悩みの方は、手数料が最安水準で最大手のSBI証券楽天ポイントを貯めている方であれば楽天証券がおすすめです。口座開設は無料(モッピーなどのポイントサイト経由で申し込むとポイントがもらえたりします)でできますので、複数の証券会社に口座を開設して、ウェブサイトやアプリの使い易さなど試してみて、メイン口座を絞るのも有りだと思います。因みに、僕はSBI証券をメイン、楽天証券をサブで使っています。長期投資が前提で頻繁な売買をしないこともあるかと思いますが、特に不自由は感じません。不満を挙げるとすれば、SBI証券はアプリで海外株を取引きできないこと、楽天証券はアプリがちょっと使いにくいことぐらいですかね。

運用で高リターンを出し続けるのは難しいですが、運用コスト(手数料)の削減は簡単・確実・ノーリスクで、一度設定すれば効果が持続しますし、やれば誰でもできます。本格的に投資を始める前に、この様な環境を整えておくことをお勧め致します。

なお、申し込みから口座開設まで2~3週間掛かるかと思いますので、投資を始めたいと思ったら、まず口座開設の申込みを済ませましょう。

証券口座に入金する

種銭を貯め、ネット証券に口座を開設したら、証券口座に入金します。

この際、SBI証券であれば住信SBIネット銀行楽天証券であれば楽天銀行に口座を開設し、証券口座と連携させておけばネット上で入出金が可能なので便利です。無料で口座開設できますし、入出金の手数料も無料です。

住信SBIネット銀行であればSBIハイブリッド預金と言う銀行⇔証券の口座連携サービスが利用できます。普通預金口座とは別にSBIハイブリッド預金口座を作って(もちろん無料、手間も掛かりません)お金を預けておけば、銀行預金と同様に利息が付きますし、株や投資信託を買い付ける際には自動で証券口座に入金してくれます。なお、ハイブリッド預金の利息は0.01%と、メガバンクの定期預金の利率より良いです。また、普通預金⇔ハイブリッド預金の移動はウェブサイトやアプリで無料で即時に行うことができるので、いちいち銀行ATMで現金を引き出して証券口座に入金する手間や手数料は掛かりません。楽天銀行ではマネーブリッジという名称になりますが、サービス内容はほぼ同じです。マネーブリッジを設定しておくと、楽天市場で買い物する際にポイントが+1倍になりますので、楽天ポイントを貯めている人にとってはお得だと思います。

証券会社の手数料と同様、入出金の手数料も運用成績の良し悪しにかかわらず掛かってきます。意識する、しないで投資をする前の段階で結構な差が付くことになりますので、やはり手数料を抑えるための環境を整えておくことをお勧めいたします。

少額で投資してみる(株や投資信託を買い付ける)

種銭をネット証券に入金したら、いよいよ実践です。実際に株や投資信託を買い付けていきます。本を読んだりネットで調べたりして得る知識よりも、実際の売買を通して得る経験の方がはるかに重要なので、あれこれ勉強してからと言うよりも、まずは少額から始めてみるのをお勧めします。個別株でも5万円以下で買える銘柄もありますし、少額から投資できる投資信託もあります。

知識ゼロからでも始め易い方法として、手数料の安いインデックスファンドへの積立て投資があります。資産運用の王道と言われています。また、お気に入りの個別銘柄を買ってみるのも良いですね。自分のお金を株式市場に投じる(投資する)ことで、景気動向や企業の業績が自分ごとになりますので、投資の勉強をするモチベーションにもなるかと思います。別に1つのことだけをやる必要は全くありませんので、色々試しながら、まずは値動きに慣れつつ自分に合った投資スタイルを作り上げて頂ければと思います。

おわりに

資産形成で重要なのは、長期で複利運用することです。即ち、投資を始めるのは早ければ早い方が有利と言うことになります。見てきた通り、投資を始めるためのハードルは決して高いものではありません。少しずつで良いので、まずは第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。以下まとめです。

まとめ

・生活資金(生活費+生活防衛資金)以外で投資に回せる種銭を作る

・手数料の安いネット証券(SBI、楽天など)に口座を開設する

・証券口座に入金する

・ネット銀行と証券の口座連携サービスを利用すると入出金の手間と手数料が無料

・少額で投資を始め、値動きに慣れながら自分に合った投資スタイルを見つける

以上、最後までご覧頂き有難うございました。

金融電卓

はじめに

この記事では、積立て投資の計画を立てるのに便利な金融電卓について、簡単な説明と幾つかの例を挙げてシュミレーションをしています。積立てシュミレーションのツールとして色々なサイトで同様のものを利用可能ですが、ここでは投資信託の格付けを行っているモーニングスターのものを紹介します。無料で使えますので、以外リンクからどうぞ。

https://www.morningstar.co.jp/tools/simulation/index.html

金融電卓とは?

資産形成のための利回り計算などを簡単に行えるツールです。画面は以下の様な感じで、空欄にそれぞれ数値を入れると、必要な利回りが計算されます。

どれぐらいの金額を、どれぐらいの期間積み立てて、目標額◯◯円にするためには、どれぐらいの運用利回りが必要かと言ったシュミレーションが簡単にできます。必要な運用利回りを計算することで、自分がどの程度リスクを取れば良いのか把握することができ、資産運用の計画を立てやすくなります。

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取れるリスクは人それぞれ

仮に5%の利回りが必要とします。この場合、債権(ジャンク債などのリスクの高いものは除いて)の利回りでは足りませんから、株式メインのポートフォリオを組むか、債権を積極的に組み入れるなら積立て額を増やす必要があります。運用期間を長く取れたら良いのですが、時間的な制約は最も大きいです。40歳から老後資金を作り始めるのであれば運用期間は20~25年(定年後バリバリ働く人は別ですが)、お子様が生まれた直後から大学の学費を積立て始めるのであれば約18年です。

この様に、資産運用の目的や必要な金額は人それぞれ、取れる(取るべき)リスクも人それぞれです。資産運用に当たっては、その目的を明確にし、自分がどの程度リスクを取れば良いのか把握する必要があります。金融電卓を使えば簡単にシュミレーションできますので、ぜひ一度ご自身で試して頂ければと思います。以下、幾つかのモデルケースについてシュミレーションしてみます。

【ケース1】子どもが生まれてすぐに大学費用を積み立てる

以下の記事によると、大学の学費は私立理系で540万円(入学料25万円+授業料110万円+その他)とのことです。部活やサークル活動、下宿をする場合はもっと掛かりますね。下宿した子どもに月10万円(480万円/4年)を仕送りをするとして、ざっくり1000万円です。やや高めですが、地方にお住まいの方などは特に、想定していていい水準です。

https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/42922

試算運用してみます。初期費用ゼロ、毎月の積立て3万円で18年間運用した場合、年率利回り4.6%あれば1000万円に到達できます。リスクはありますが、株式メインのポートフォリオであれば到達可能と考えられるレベルです。以下、実際に計算した結果です。

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【ケース2】1000万円貯めた学費を4年間掛けて取り崩す

金融電卓は資産を貯める時だけでなく、運用しながら取り崩す時のシュミレーションにも使えます。【ケース1】で子どもの学費用に貯めた1000万円ですが、大学に通う4年間で運用しながら取り崩した場合はどうなるでしょうか。想定利回りは、コンサバ気味に3%として、以下計算してみます。

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月々22.1万円を受け取れる計算になります。うち10万円/月は授業料の支払いに充てるとして、12万円/月の仕送りは可能ですね。

おわりに

誰もが必要を感じて資産運用を始めようと思う訳ですが、その目的は明確でしょうか?

何年後に幾ら欲しい?

積立て可能額は?

その時に必要な利回りは?

ご自身と向き合って、資産運用を始めて頂ければと思います。

そのためのツールとして、今回は金融電卓を紹介しました。以下まとめです。

 

資産運用の目的を明確にし、どの程度リスクを取れば良いのか把握する

・金融電卓は、そのために必要な試算を無料で簡単にすることが可能

 

最後までご覧頂き有難うございました。

NISA?つみたてNISA?おすすめを簡単に解説

はじめに

この記事では、NISAとつみたてNISAの違いについて解説しています。

NISAが良い?

つみたてNISAが良い?

どちらが自分に合っているのか、判断する際のヒントになればと思います。

NISAとつみたてNISAの違いを簡単に説明

 

NISA、つみたてNISAともに少額の投資を行う方のための優遇制度です。それぞれ条件がありますが、株式や投資信託の売買で得た譲渡益、配当金等に対して掛かる税金が非課税になります。NISA、つみたてNISAの違いは、主に非課税になる投資対象投資枠(年間いくらまで非課税で投資できるか)期間の3点です。NISA口座、つみたてNISA口座のどちらか一方、1人1口座しか開設できないため、どちらが良いのかお悩みの方も多いかと思います。それぞれ順に見ていきます。

まずNISAについてです。

・非課税対象:株、投資信託

・非課税枠 :年間120万円

・非課税期間:最長5年間(期間延長可能)

続いてつみたてNISAです。

・非課税対象:一定の投資信託

・非課税枠 :年間40万円

・非課税期間:最長20年間

NISAでは最大600万円、つみたてNISAでは最大800万円が運用可能になります。ざっくり言うと、つみたてNISAの方が長期、分散、積立てと言った基本に沿った投資をし易い制度設計になっていて初心者向けかなと思います。また、つみたてNISAで投資できる投資信託は、金融庁が選んだ優良なものに限定(長期での資産形成に適さないと考えられるものは除外)されており、初心者でも取り組み易い様に配慮がなされています。

NISAをおすすめできる方

個別株式に投資したい方

 

第一はこれですね。つみたてNISAでは投資できる商品が「一定の投資信託」に限定されているからです。従って、銘柄研究をしてアクティブに投資をしたい方にはデメリットになります。また、米国など海外のETF(上場投資信託)に投資したい場合も、つみたてNISAでは選択肢がほとんど無いので、NISAを選ぶことになります。ただし、つみたてNISAで当該ETFに投資できる投資信託もありますので、その辺り含めて総合的に判断されると良いかと思います。

もっとも、つみたてNISAで投資信託を積立て購入し、非課税枠以外(特定口座など)で個別株を取引きするのは全然問題ありません。非課税制度(NISA)を利用した場合、運用益に対して非課税である反面、損失が出た場合は損益通算できない(損失が無かったことになる)と言うデメリットがありますので、自身の取れるリスクを考慮の上、好みで判断して頂ければと思います。

長期の運用を必要としていない方

 

資産形成のフェーズに無い方で余裕資金を運用したい方です。例えば、年金生活の方で余裕資金を投資して配当金や株主優待が欲しい人です。この様な方は、「お金を使う」フェーズにあります。ただ、余裕資金を銀行預金で遊ばせておくのはもったいと思っているのであれば、NISA枠を利用して資産の一部を運用するのも有りかと思います。

また、余裕資金を短期間(5年間)で集中的に投資したい方です。つみたてNISAの非課税枠は年間40万円です。これで足りない方は、NISAも検討対象になってくるでしょう。個人的に、NISAの非課税期間の5年間は、長期での資産形成と言う観点からは短いと感じています。期間延長(ロールオーバー)の制度もありますが、最低でも10年間は欲しいと思います。とは言え、短期的に非課税枠を利用したい方には使い易い制度だと思います。

つみたてNISAの非課税枠は年間40万円です。NISAであれば5年で投資できる額(600万円)を15年掛けて積み立てることになります。もちろん、NISAのデメリットは認識した上で、どう判断するかです。

つみたてNISAをおすすめできる方

 

「NISAをおすすめできる方」に該当しない方です。

そもそも論として、つみたてNISAは資産運用の基本(長期、分散、低コスト)を、投資に詳しくない方や投資に割く時間が無い方でも手軽に実践できるようにした点で非常に良い制度だと思っています。従って、積極的にNISAを利用したいと思う方でなければ、つみたてNISAをおすすめします。非課税枠が足りないのであれば、場合によってデメリットもありますがiDeCoの利用も検討に値するのではないかと思います。

おわりに

 

いかがでしたでしょうか。

NISA、つみたてNISAの整備は、国から国民に向けて「資産運用をしなさい」と言うメッセージだと思います。このメッセージを受け止め、早く行動に移すことが重要だと思います。

 

以上、最後までご覧頂き有難うございました。

資産運用のポイント3つ

はじめに

投資はリスク(値動き)を受け入れることでリターンを求める行為です。ついついリターンを大きくすることに目が行きがちですが、将来の資産形成を目的とする投資において、まず意識するべきことは大きな損失を回避することです。その上で、中長期にわたって平均的なリターンを狙うことです。短期間で大儲けしたいとお考えの方には期待外れかも知れませんが、これが投資の基本だと考えます。

この記事では、初心者の方向けに、資産運用の3つのポイント『分散』、『長期・複利』、『低コスト』について解説します。それぞれ詳細に書くと記事が長くなり過ぎるため、ここではポイントのみ簡単に説明することを心掛けました。詳細については今後、別記事で取り上げる予定です。

分散

 資産運用のポイント1つ目は『分散』です。投資する対象(国・地域、資産クラス(株、不動産、債券など)、業種・銘柄)と時間(タイミング)を分散することで、リスクを低減する効果があります。

1銘柄に集中投資した場合、その銘柄が上場廃止になれば資産はゼロになります。一方、投資先を10銘柄に均等分散(各10%ずつ)した場合、そのうちの1銘柄が上場廃止になっても損失は全資産の10%で済み、資産の90%を守ることができます。100銘柄に均等分散した場合、1銘柄への依存度は1%にまで下がります。

また、投資する時間の分散も重要です。底値で買って高値で売ることができれば良いのですが、株価の予測は難しく、いつでも上手くいくとは限りません。果たして1年前にコロナウイルスの株式市場への影響を予測できた人はどれぐらい居たでしょうか?時間を分散して徐々に資金を投入することで、高値掴みのリスクを低減することができます。

投資の世界で勝ち続けるのは難しいです。まずは特定の銘柄への依存度を下げ、高値掴みのリスクを回避して大きな損失を出さないことです。

長期・複利

資産運用のポイント2つ目は『長期・複利』です。長期で複利運用することで資産形成を加速させる効果があります。冒頭で「リスクを回避しつつ平均的なリターンを狙う」と書きました。では、平均的なリターンとは、どれぐらいでしょうか?

投資対象によって異なりますが、アメリカの代表的な株価指数(S&P50)のリターンは、平均で年率5~7%と言われます。その程度かと思う方もおられるかも知れませんが、長期で複利運用することで、少し様子が変わってきます。

複利とは、利子(配当)に利子がつくことです。元本に対して生じた利子を翌年の元本に組み入れる(再投資する)ことにより、翌年は元本だけでなく利子にも利子がつくようになります。これを毎年繰り返すことで、利子が次第に増加し、資産額の増加が加速していきます。これが複利の威力です。

この記事で具体的なシュミレーションは省略しますが、「72の法則」を紹介しておきます。複利で運用した時の資産が2倍になるまでの期間、利回りが感覚的に掴み易いので便利です。

  1. 利回り(%) = 72 ÷ 資産が2倍になる期間(年)
  2. 資産が2倍になる期間(年) = 72 ÷ 利回り(%)

例えば、10年間で資産を2倍にしたければ7.2%の利回りが必要になります(式1)。前述のS&P500の年率リターンより少し高い利回りが必要になりますね。少し高めにリスクを取る感じでしょうか。利回り4%で運用して資産を2倍にするには14.4年掛かります(式2)。このぐらいであれば、十分に妥当なラインかと思います。

低コスト

 

 資産運用のポイント3つ目は『低コスト』です。運用コストを低く抑えることで結果的にリターンを向上させる効果があります。高リターンを出し続けるのは難しく、また相応のリスクを負っているという認識も持つべきですが、運用コストの低減は簡単・確実で効果が持続します。やれば誰でもできますし、リスクもありません。

具体的な運用コストは、証券会社等に支払う手数料、および運用益(売買で得た譲渡益および配当金)に対して掛かる税金になります。これらを抑えるために、以下の方法が有効です。

  1. 手数料の安いネット証券を利用する
  2. 運用コストの安いインデックスファンドに投資する(投資信託を利用する場合)
  3. 頻繁な売買を避ける
  4. 運用益が非課税になる制度(NISA、つみたてNISA、iDeCo)を利用する
  5. 配当再投資型(分配金を出さない)の商品を選ぶ(投資信託の場合)

詳細を解説し始めると長くなるので、それぞれ詳細は折に触れて記事にしますが、ここでは投資信託の運用コストにだけ触れておきます。日本で販売されている株式投資信託は実に5400本あり(金融庁資料より)玉石混交ですが、証券会社のランキング上位や窓口販売で提案される商品は必要以上に運用コストが高いものが多く、初心者の方が不用意に投資してしまいがちだからです。

まず、投資信託はプロに運用をお任せする金融商品なので、その分のコストが上乗せされます。即ち、売買手数料に加えて信託報酬(運用管理手数料)が掛かります。最近は低コストで優良な商品(インデックスファンド)が増えてきており、買付手数料が無料(ノーロード)、信託報酬が安い、売却手数料も無料、こう言う商品が普通に買えますので、銘柄選びの際に是非チェックしてみて下さい。以下に業界で最安水準と言われる代表的なインデックスファンドの信託報酬(税込)を示します。もちろん、いずれも売買手数料は無料です。運用額1000万円で年間1〜2万円程度の運用コストになります。f:id:loveyuyu:20200923224512p:plain

おわりに

いかがでしたでしょうか。資産運用のポイント『分散』、『長期・複利』、『低コスト』について見てきました。派手さは無いですが、堅実かつ誰もが取り組み易いものだと感じて頂けたのでは無いかと思います。もちろん、これらをベースに更なるリターンを求めることを否定するつもりは毛頭ありませんので、あくまでも基本的な考え方と言うことでご理解頂ければと思います。以下まとめです。

まとめ

 ・資産運用の基本は『分散』、『長期・複利』、『低コスト』

・投資対象と時間(タイミング)を分散することで、リスクを低減する

・長期で複利運用することで資産形成を加速させる

・運用コスト(手数料、税金)を低く抑えることで全体リターンを向上させる

 

最後までご覧頂き有難うございました。

リスクを取らないリスクについて

はじめに

 

将来の資産形成には、銀行預金だけではなく、株式、債券、不動産などの資産に投資して運用するのが有効とされます。しかし、資産運用の常として値動き(リスク)があり、これを受け入れなければいけません。リターンが見込める半面、元本割れのリスクを負うということになります。そして、この元本割れのリスクというデメリットが強調され過ぎる(あるいは怖がり過ぎる)あまり、メリットが十分に伝わっていないと感じます。

そこで、この記事では、資産運用をしないことによるリスク、即ちリスクを取らないリスクについて書いています。リスクを怖がり過ぎるあまり、資産運用を躊躇している方の参考になりましたら幸いです。

リスクを取らないリスクについて

 

「リスクを取りたくないから資産は全て銀行預金」という方はいらっしゃると思います。これは、現金は価値が下がらないという前提での行動になります。超低金利の時代ですので、定期預金であっても雀の涙ほどの利息しかつかないことは、通帳記帳の際など折に触れて実感されていると思います。それでもなお、全額を預金しているのは、殖やすことよりも減らしたくないマインドが強いのだと察します。

また、定年まで働き、定年後は年金生活を送ることを前提にライフプラン、資金計画を立てている方も多くいらっしゃるのではないかと思います。

 

ただし、その前提が崩れた時はどうでしょうか。

 

・物価が上昇する(現金の価値が相対的に目減りする)リスク

・働けなくなる(給料が減る)リスク

・もらえる年金が減るリスク

・長生きするリスク

以下、それぞれ解説します。 

物価が上昇するリスク

 

物価は年々上昇しています。日銀の金融政策としても、2%のインフレ(物価上昇)率を目標にする方針です。税金も増えていますよね。何だかんだで、モノの値段は上がっています。今後も物価上昇の流れは(一時的にはあるかも知れませんが)逆戻りすることなく、緩やかに進んでいくものと考えられます。

物価が上昇すると、現金の価値は相対的に目減りします。タンス預金の1万円札は、いつまでたっても1万円です。ところが、今後10年掛けて、2000円の商品が2500円に値上がりしたとしたら、買える個数はどうなるでしょうか?

今:2000円 ⇒50個買える

10年後:2500円 ⇒40個買える

同じ1万円札でも、交換できる商品の個数(=価値)が減りましたね。この場合ですと、現金をタンスで寝かせているうちに、現金の価値が2割下がってしまったことになります。これが物化上昇のリスクです。仮に物価が同じだったとして、今の1万円札が10年後に8,000円札に変わっていたら、どう思うでしょうか?なお、定期預金であれば利息がつきますが、微々たるものなのでやはり物価上昇には負けます。 

働けなくなる(給料が減る)リスク

 

病気など自身の都合であれ、解雇、倒産など会社都合であれ、働けなくなるリスクは一定程度あります。これまでは終身雇用の時代でしたが、今後そうもいかなくなってくると言われています。年功序列もまた過去のものになろうとしています。会社を辞めるまではいかなくても、これまでの様に年々給料が増えていく時代ではなくなってきています。

上述した通り、それでも物価は上がっていくと思われます。仮に給料が維持されたとしても、物価が上昇上昇すれば給料の相対的価値は下がることになります。

もらえる年金額が減るリスク

 

既に現在進行形ですね。10年、20年先に年金制度がどうなっているのか分かりません。若いうちであれば、バイトでもして収入を確保できるかもしれませんが、老後になると体力的にも厳しいでしょう。年を取るにつれて病気のリスクも増えていきます。

長生きするリスク

 

医療が発達し、人生100年時代と言わる様になりましたが、長生きすることで資金が枯渇してしまうリスクがあります。長生き自体は非常に良いことですが、資金が枯渇してしまうと人生の終盤を不幸に送らないといけません。子どもや兄弟などの身内に迷惑を掛けてしまうかも知れません。

リスクと取らないリスク

 

以上見てきた通り、以下がリスクを取らないリスクになります。

物価上昇、増税、長生き ⇒支出が増える

給与が減る、年金が減る ⇒収入が減る

生涯を通して支出が増え、収入が減ることになります。我が国では老後2000万円問題や終身雇用の是非が取り沙汰されており、これは遠い未来の話では無いと考えた方が良いと思います。リスクを取らない(資産運用をしない)と、これに対抗できません。これがリスクを取らないリスクです。

では、どうすればよいか?

給与所得以外の収入源を複数持っておくことが重要になってきます。具体的には副業をする、資産運用をするということです。どちらもこれからの時代を豊かに生き抜いていくために必須のスキルだと思います。

まずはリスクを取らないリスクに「気付く」ことです。我々日本人は、学校でも家でもお金の教育を受けていない人が多いですが、不安になった時、現状に疑問を感じた時が「気付き」のチャンスだと思います。老後2000万円発言にせよ、NISAや確定拠出年金などの制度を整備するにせよ、政府も国民に対して「資産運用をしなさい」とメッセージを出しています。気付けるかどうかは感度の問題です。この記事をここまで読んで下さった時点で、皆様は少なくとも気付かれているのだと思います。後は正しい知識を身に付け、行動を起こすだけです。できるだけ早く。少額でも構いませんし、むしろその方が良いです。

ただ、僕も含め多くの日本人はリスクを嫌うゼロリスク症候群だと思っています。損ばかりに目が行って将来得られるはずのリターンを放棄してしまいがちです。

世の中には「行動する人」と「行動しない人」の2種類が居ます。そして、成功を掴めるのは行動した人だけです。この記事が、最初の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

おわりに

 

いかがでしたでしょうか。繰り返しになりますが、ここまでご理解頂けたら、後は行動するだけです。一緒に勉強してお金持ちになりましょう。以下まとめです

・資産運用をしない場合、物価上昇リスク、働けなくなるリスク、年金が減るリスク、長生きするリスクに対抗できない(=リスクを取らないリスク)

・これらのリスクに対抗するために、副業、株式、不動産などの収入源を複数持っておく

・老後2000万円発言、NISAやiDeCoなど諸制度の整備は国民に資産運用しなさいと言う国からのメッセージ

・正しい知識を身に付け、できるだけ早く資産運用を始める

 

以上、最後までご覧頂き有難うございました。

持株会のメリット・デメリット

はじめに

 この記事では、持株会のメリット・デメリットについて解説します。

お勤め先の会社に持株会の制度がある方向けにはなりますが、入会をご検討中の方のご参考になれば幸いです。

持株会は会社によって制度が異なるため、この記事の内容が全ての会社にあてはまるものではありません。入会をご検討中の方は、ご自身の会社の規約等をご確認下さい。また、会社への思い入れや愛社精神と言った精神的な部分は切り離して、純粋に資産運用として見た時にどうなのかと言った観点で記事を書いていますので、その点ご了承下さい。

持株会とは

 持株会とは、会社が従業員に対して福利厚生の一環として提供している制度です。従業員が持株会に掛金を拠出、持株会がこれを取りまとめ、会社の株式を買い付ける仕組みです。従業員にとっては少額から自社の株を保有できる上、会社の業績が良くなる⇒株価が上がる、配当金が増えるといったメリットを享受できるので、仕事のモチベーションアップにも繋がります。従業員のモチベーションが上がること、そして安定株主が増えることは会社にとってもメリットとなるため、掛金の数%を奨励金として出している会社もあります。 

持株会のメリット

持株会のメリットを以下に示します。

  1. 少額から積み立てられる
  2. 配当金を再投資してくれる
  3. 給与天引きで取り組める
  4. 奨励金が出る(会社が多い)
  5. 株式投資(個別株)に慣れることができる

 1~3は、資産運用の王道とも言えるインデックスファンドへの積立投資と同じですね。インデックスファンドは給与天引きではなく証券会社を通して買う必要がありますが、ネット証券で積立設定をすれば、ほぼ同じ形になります(楽天証券であれば、楽天カードで決済できてポイントも貯まりますのでお得に積立てが可能です)。少額から手軽に始められる=始めるまでのハードルが低い点に関しては、インデックスファンドと同じくメリットがあります。

一方、銘柄や国・地域など広く分散投資が可能なインデックスファンドと比較して、1銘柄への集中投資となる持株会のリスクは高くなります。半面、高いリターンを期待できる訳ですが、最終的には会社の成長性や後述するデメリットも踏まえ、リスク/リターンのバランスを見て比較検討する必要があるかと思います。

4、5に関しては、持株会特有のメリットになります。以下に書いていきます。 

奨励金が出る(会社が多い)

 すべてではないと思いますが、会社によっては積立額の数%を奨励金として上乗せしてくれます。上述した様に、持株会は会社にとってもメリットがあるためです。

奨励金の額ですが、だいたい従業員が拠出した金額の10~20%ぐらいを出す会社が多い様に思います(管理人調べ)。ただし、奨励金がもっと少ない会社、逆に奨励金を50%出す会社もある様です(管理人調べ)。会社によって制度はまちまちなので、もし入会をご検討中の方は、ご自身の会社の持株会規約等をご確認下さい。

株式投資で年率10%のリターンを出し続けるのは簡単ではありません。従って、奨励金が10%以上出るのであれば条件としては悪くないかと思います。なお、前述のインデックスファンドへの積立投資であれば、平均で年率5~7%程度が妥当なラインです。 

株式投資(個別株)に慣れることができる

僕は持株会から投資を始めましたが、このメリットは大きかったと思っています。

株価は値動きがありますが、自分の資産額が日々上がったり下がったりすると言う現象を、少額で実体験することができました。特に、下落局面における精神状態に関しては、実際に体験するのとそうでないのとでは大きな違いがあります。株価の値動きに対して精神的にどの程度許容できるのかを知れたことで、自分に合った資産運用のスタイルを徐々に構築していけたと思っています。

もう一点は、自身のマインドセットに変化があったことです。株主目線で自分の会社を見る様になりました。4半期毎の決算をチェックするようになりましたし、色々と勉強しているうちに決算書を読んで企業分析までできる様になりました。

理系出身で会計の知識はゼロでしたが、株主として投資先の業績は自分ごとなので、自然と興味を持って勉強を進めた感じですね。ゼロから勉強するのは大変でしたが、勤め先の業績や事業内容はある程度把握していたので、企業分析をする際のモデルケースとしては取っつきやすかったのかなと思います。 

持株会のデメリット

 続いて持株会のデメリットです。

  1. 会社への依存度が高まる
  2. 売却時に制約がある
  3. 株主に通常認められる権利が無い(株主優待株主総会での議決権)
会社への依存度が高まる

 副業による事業所得や株式等の譲渡所得、配当所得、不動産所得を得ていない場合、会社員の所得のほぼ全部が勤め先からの給与所得になります。この時点で会社への依存度は非常に高い状態と言えます。

このブログでは、会社(給与所得)に依存し過ぎないための1つの選択肢として株式投資を取り上げていますが、資産の一部を勤め先の株式に投じること(持株会)は、それとは逆の行動になってしまいます。

もし、あなたの会社が倒産したらどうなるでしょうか?

そこまで行かなくても、業績が下がって株価下落、給与もカットされるかも知れません。

 極端かも知れませんが、この様な最悪のシナリオも想定しておくべきだと思います。

売却時に制約がある

個別株式や投資信託であれば、基本的にいつでも売買できます。一方で、持株会には売却時に制約がある場合が多いです。

まず、売却時の手続きに時間(数週間~1か月)が掛かります。具体的には会社に申請⇒承認⇒証券口座に株式振替⇒売却のステップを踏むので、半月~1か月ぐらいでしょうか。従って、株価が下落した際、損切りしたいと思ってもすぐには売却できません。それから、保有数量が単元未満の場合です。少額ずつ積み立てられるのは良いのですが、1単元に達していないと売却できません。仮に売却しようとすると、持株会を退会して買い取ってもらうことになります。また、管理人調べでは、持株会の一部引き出しが認められておらず、引き出すときは全額を売却し、そのまま退会になる会社もあると聞きました。さらに、持株会を一度退会すると再加入が認められないケースもあります。

持株会は、個別株と同様に値動きリスクが高い上に、機動的な売買ができないという、流動性リスク(資金が拘束されるリスク)を負うことになります。少額で積み立てていくため、個別株と比較して時間的な分散はできているとは言え、やはり値動きのリスクは大きいです。流動性リスクについては、初心者の意識が向きづらいリスクではあります。確定拠出年金、ジュニアNISA、貯蓄型保険など、折に触れて述べる機会があるかと思いますが、十分に意識されるべきリスクがだと思います。 

株主優待はもらえない

持株会では、配当を受け取ることはできますが、規定の株数に達しても株主優待はもらえません。個人の名義で株式を取得していないためです。従って、株主総会での議決権もありません。大きなデメリットではありませんが、株主優待を期待して持株会に入ろうとしている方はご注意下さい。

因みに、持株会で積立て、規定の単元に達した後、自分名義の証券口座に株式を出庫すれば株主優待の権利が得られます。 

おわりに

いかがでしょうか。個人的には、個別株に投資をしたいけど、知識が無くて一歩を踏み出せない人は持株会から始めてみるのも良いのではないかと思います。持株会は奨励金のメリットばかりに目が行きがちですが、デメリットもあります。これらを総合的に見て、加入の是非を判断して頂ければと思います。

以下まとめです。

まとめ

・少額で積み立てられる始めやすさ、時間分散の効果はインデックスファンドと同様

・一方で、個別銘柄への集中投資という側面で見ればリスク(値動き)は大きい

・メリットは奨励金がもらえる点、株主目線の視点が養われる点

・デメリットは会社への依存度が高まること、流動性リスク

 

以上、最後までご覧頂き有難うございました。